2015年10月4日日曜日

自宅で自分で歯石を取る方法はあるのか?

歯の検診を行って、歯医者に歯石の除去を勧められた人の中には、私のように歯石除去
ごときに何度も歯医者に通わなければならないことに不信感を持ってしまい、自分で歯石を
除去できないのか模索する人もいるのではないかなと思ったので、ここに情報を残して
おこうと思う。

ちなみに先に書いておくと、歯石の除去で何度も歯医者に通わなければならないのは、
別に歯医者が金儲けを考えているからではなく、保健診療でやる場合、検査、治療、検査
のステップを踏まなければならないという制約があるためである。詳細は下記参照。
ネット上でも同様の情報が複数見られるので、私が話した歯医者は本当のことを
言っていると思う。
歯石除去など歯の治療を1回で全部できない理由は金儲けではなかった


さて、記事のタイトルにもした「自宅で自分で歯石を取る方法はあるのか?」についてだが、
あるにはある。が、歯石取りを経験した身で言えば、オススメはしない。
なぜなら、歯石を取るのって、歯に完全にこびりついて石となったものを、超音波の器具や
先の尖った鉄工具でゴリゴリ力を入れて砕いていく作業だからだ。



では、私が実際に経験した歯石取りの手順を紹介しよう。

まず1日目。歯の状態を一通り確認した後、歯科衛生士が超音波スケーラーという
器具を使って、ゴリゴリ口の中全体の歯石を軽く落としていく。軽くと言っても一つの歯を
何度も超音波スケーラーでウインウイン言わせて、歯石を落としていくから結構な力だ。

その結果どうなるかというと、人によって程度は変わるだろうが、知覚過敏になる。
これはなぜかというと、歯肉にこびりついた歯石が取れて、歯の状態が悪かった部分が
空気に露出するためである。歯石除去(スケーリング)をやり過ぎると、知覚過敏が
激しくなるため、1日目はあえて「軽く」やったわけだ。

超音波スケーラーによる歯石除去の様子を撮った動画があったので、
それを紹介しておこう。
https://www.youtube.com/watch?v=NciwE9QEX9w



翌週の2日目。歯を上右、上左、下右、下左の4つの領域に分割して1回では1領域づつ
本格的にスケーリングを行っていく。例えば今回は上右の歯の歯石除去を行うという感じ。

これをディープクリーニングと言い、歯茎の歯周ポケットまで深く見て歯石除去を行うものだ。
歯茎奥にこびりついた歯石を破壊するには、超音波スケーラーだけでは対処できず、
また痛みも伴うので歯に麻酔を打つことになる。

歯に麻酔を打った後、今度は歯科衛生士ではなく、医師が直接歯石除去を行う。
具体的にはハンドスケーラーという先の尖ったステンレスの器具を使って、
歯茎の奥にそれを入れ、かなり力を入れてガリガリガシガシ歯石を破壊していく。

ハンドスケーラーによるディープクリーニングの様子を撮った動画もあったので、
そちらも紹介しておこう。



上記、私が実際に経験したスケーリングの手順だが、こんなにも力がいり、
場合によっては麻酔が必要なほど痛みが伴うような歯石除去を、複雑な形状の
歯の中で歯茎を傷つけずに自分で対処できると思うかい?無理でしょ?

なので、何度も通うのが面倒なのはわかるが、歯石取りは歯医者にやってもらうのが
いいと私は思う。


以上、自宅で歯石除去をする方法があるかと言われれば、あるにはある。
ただ、複雑な構造をした口の中を、かなり力を入れて自分で施術するというのは、
相当に難易度が高い。しかも家庭用の超音波スケーラーでも結構な値段がする。

ちなみに、歯医者で歯石除去を行う際に実際に掛かった金額を記載しておくと、
1日目の検査+レントゲン+超音波スケーラーによる全体歯石除去が3820円で、
2日目の軽い虫歯の治療+ハンドスケーラーによるディープクリーニングが2960円。

つまり、初回約4000円+ディープクリーニング約3000円×4回で16000円くらい。
治療後の検査含めても2万円いかないくらいで口全体の歯石除去ができる。
価格的にも自宅で歯石除去を行うメリットはあまりないと言えるだろう。

むしろ、信頼できる、ちゃんと丁寧に説明をしてくれる歯医者を見つけるほうが
優先順位が高いかと。特に何度も歯医者に通わなければならない部分に対しては、
患者が不信感を抱きやすい部分なので。

なお、歯磨き指導では、1日2回以上、1回5分は歯を磨いたほうがよいとのこと。
特に夜寝る前は必須で、睡眠中は特に抵抗力が弱るので、歯周病が進みやすいため。

その歯医者はソニッケアーを使っているようだ。私自身もソニッケアーを使っていて、
話の流れで発覚したのだが、前々からソニッケアーだと手磨きとはまるで歯磨きの
完成度が違うなとは思っていたので、その選択が間違っていなかったことを確信した。

2015年9月27日日曜日

歯石除去など歯の治療を1回で全部できない理由は金儲けではなかった

何十年と虫歯や歯痛とは無縁という認識でいたのだが、自治体から無料の歯科検診の
案内が来たので、試しに受けてみることにした。そしたらなんと、奥歯に軽い虫歯が数本と
歯石がびっしり付いていることが判明。

歯科医からはまずは歯石を2,3回に分けて除去をして、その後虫歯を何回かに分けて
治しましょうという説明が。で、ここからが記事タイトルにもした問題よ。

素人目からすると、超音波を使った歯石の除去ごときになんで何度も通わせるのかと。
1回で治療できないのかと。老人の持病のケアで毎週固定客を診療して稼ぐがごとく、
歯石の除去やら軽い虫歯の治療でも何度も通わせて金稼ぎたいだけちゃうんかと。

で、不信感を持った私は、検診を終えたその足で、歯石の除去を当日やってくれる別の
歯医者を探して治療を行うことに。一通りの経緯をその歯医者に話したら、衝撃的な
ことを教えてもらったのだった。


さて、ここからがその歯医者から聞いた歯の治療を1回で全部できない理由。

・歯の治療を1回で全部できないのは別に金儲けをしたいからではなく保険診療のルールのせい
・保険診療で歯の治療を行うには、検査→治療→治療後の検査というプロセスを踏まなければならない
・また、一度に全部の歯の治療を行うと、保険点数にならない(=歯科医の報酬にならない)ものが発生してしまう
・逆に保険の適用外になる自由診療なら1度に全部済ませることも可能

とのこと。まさか保険診療による縛りが1回で治療を終えられない理由だったとは!


ちなみに、上記の保険診療上の問題が1番の理由ではあるが、他にもいくつかあるようだ。

・一度で完全に歯石を取り除こうとすると、ひどい知覚過敏が発生してしまう
・虫歯の治療では麻酔を使うが、麻酔の範囲は上下それぞれの左右で計4箇所存在する。歯の治療ではそのうち1箇所に麻酔を打ってその範囲の治療を行うが、4箇所全部打つようなことをすると、患者の歯の間隔がなくなって、ヨダレダラダラになってしまう

とのこと。これは結構納得感があって、今回歯科医の先生の好意で、当日検査と軽く歯石の
除去を行ってもらったのだが、軽くやってもらっても歯がスースーする感覚というのはあった。
つまり、これ本気でやったら、耐え難いレベルの知覚過敏が発生するだろうなというのは
予想が付く。

ということで、私も含めて素人からしたら、なんで歯石除去やら虫歯の治療で何度も通わなきゃ
ならないんだと怒りも沸くだろうが、別に歯医者は金儲けがしたいわけじゃなくて、複数の
まっとうな理由があるということだ。


私と同じようなことを疑う人も多いだろうから、ここに情報を記載することにした。
ちなみにネットで検索を行っても、複数のソースで、上記と同様、保険診療上の問題が
挙がっていたので、歯医者の先生が話していたことは本当だと思われる。


2015年3月23日月曜日

ストナリニZとストナリニSの違いは眠くなるかならないか

ストナリニZとストナリニSの違いについて知りたい人がいるようなので記載しておこう。
一言で言うとストナリニZは眠くなりにくい新しい薬で、ストナリニSは眠くなりやすい古い薬を
使っているのが最大の違い。

ストナリニZの有効成分はセチリジン(cetirizine)という第二世代抗ヒスタミン薬に分類される成分。
ストナリニSの有効成分はクロルフェニラミン(chlorpheniramine)という第一世代抗ヒスタミン薬
に分類される成分だ。

花粉症の薬はよく眠くなると言われるけど、それは第一世代抗ヒスタミン薬が主流だった頃の
話で、昔は病院での処方だけが許されていた第二世代抗ヒスタミン薬が市販薬として買える
ようになってからは、眠気の副作用はだいぶ改善されてきている。

参考までに抗ヒスタミン薬の鎮静作用、つまりは眠くなりやすさを比較した資料があるので、
それを紹介しておこう。
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/101230html/index3.html

ストナリニZの成分は、上から5番目のCetirizineと書いてある0.193の数値のデータだ。
ストナリニSの成分は下から3番目、Chlorpheniramineと書いてある1.956の数値のデータだ。
つまりこの指標で言うと、ストナリニSはストナリニZの10倍眠くなりやすいというわけだ。

じゃあストナリニZとストナリニS、どっちのほうが効くのかという部分が気になると思うが、
眠くなるくらいだからストナリニSの方が効くのかとおもいきや、効き目は同じくらいというのが
間接的にデータが示されている。

https://www.carenet.com/news/24225
この記事は、ストナリニSの成分から眠気成分をちょっと取り除いたd-クロルフェニラミン
という第一世代抗ヒスタミン薬の成分と、第二世代抗ヒスタミン薬の一つである
ベポタスチンベシル酸塩の眠気と効果の比較をした研究なんだけど、効果は変わらないのに
眠気はd-クロルフェニラミンの方が強かったという結論になったものだ。

ストナリニZの成分のセチリジンはベポタスチンより強いという結果もあったりするので、
つまりは効果に関しても、ストナリニZはストナリニSと同じか、むしろ強い可能性もある
というのが、これらの研究からいえることだ。


ということでまとめると、
眠気:ストナリニS>ストナリニZ
効き目:ストナリニZ>=ストナリニS
ということになるね。


さて、最後に、じゃあなんでストナリニSが属する第一世代抗ヒスタミン薬が眠くなるのか
について説明をしよう。

そもそも抗ヒスタミン薬とは何か?という話になるんだけど、これはヒスタミンという体から
出る刺激物がヒスタミン受容体にくっつくのを妨げる薬なんだ。抗ヒスタミン薬が受容体に
先回りしてくっつくから鼻水やら痒みなどのアレルギー症状が出ないで済むという仕組みだ。

ただ、問題が一つあって、ヒスタミンという物質は、脳の伝達物質としても使われている
ものなんだ。だから、抗ヒスタミン薬が脊髄を通過して脳に届いてしまうと、脳の伝達物質と
してのヒスタミンの働きも阻害することになり、眠くなってしまうという仕組みだ。

これを改善して、目や鼻のヒスタミンによる症状は抑えるけど、脊髄は通過しにくいという
性質を持ったものが第二世代抗ヒスタミン薬と呼ばれているものだ。

ということで、ストナリニSとストナリニZどちらがいいかと言えば、即答でストナリニZだ。
ストナリニSのメリットなんて値段が安いことと、夜に飲んだらよく眠れる、くらいしかないだろ。
ちなみにどっちも1日1回の薬です。ストナリニZも全く眠くならないというわけではないので、
基本的には夜に飲むべき薬ではある。


あら、、今ちょっと探してみたら、ネット上ではストナリニZ、買えないみたいね。
第一類医薬品という薬剤師から直接説明受けないと買えない薬だからということかと。
一応利便性を考えて、ストナリニSの商品リンクを置いておくけど、ストナリニZの方が
新しくてよい薬だからそっちの方がいいよという結論。薬局に置いてあるのでそっちで
買ってください。

2015年1月18日日曜日

ホクナリンテープ(ツロブテロールテープ)って何?

ひどい風邪をひいて、数日を寝て過ごした。高熱が治まったと思ったら咳が止まらなくなった。
咳き込んで夜寝られないのだ。最初は空いている医者に行って、抗生物質をもらっておけば
よいくらいに考えていたのだが、咳が止まらなくなっていよいよやばいと思い、今度は3時間待ちの
評判の良い呼吸器・循環器の専門医のところに行った。

で、結局は気管支や肺はひどいことになっておらず、一安心だったのだが、その時に渡された
薬の一つが、この「ホクナリンテープ」という聞き慣れない貼り薬だった。ということでちょっと
調べてみた。

結論として、ホクナリンテープは気管支拡張剤という、気管支を拡張して呼吸困難を改善する
薬のようだ。成分名はツロブテロールで、ジェネリックだとツロブテロールテープになる。

では気管支拡張剤には他にどんなものがあるのかというとこのページが詳しい。
喘息発作のおきるしくみ”と、“薬のはたらくしくみ”

これによると気管支拡張剤には2種類があるようだ。
ひとつは早く効果が現れるもの(交感神経刺激剤)で、これはアドレナリンβ受容体刺激剤。
もうひとつは、ゆっくり効果が現れるもの(テオフィリン製剤)でキサンチン誘導体。

それぞれ薬剤名は下記の通り。
・主な交感神経刺激剤:メプチン、ベネトリン、ブロンコリン、ベラチン、ホクナリン、ブリカニール、など
・主なテオフィリン製剤:テオドール、テオロング、スロービット、ユニフィル、テルバンス、アーディフィリン、など

つまりホクナリンテープは早く効果が現れる方に属する気管支拡張剤ということになる。
いずれも、気管支拡張剤には心臓をドキドキさせる副作用があるようだ。
また、脈拍が早くなるので、高血圧の人には要注意の薬とのこと。

副作用の具体例に関してはこのページが詳しい。
風邪や咳でホクナリンテープをはっていませんか?
・ホクナリンテープで実際に効果があると感じている人は1割程度
・ホクナリンテープの適応症は、喘息、旧姓・慢性気管支炎、肺気腫で、風邪に気軽に使うべきではない
・子どもの風邪に不用意に使う親が結構いて、脈拍が早くなることによるめまい、吐き気の副作用に見舞われる子がいる
・皮膚が乾燥していると薬の吸収が悪く、汗をかいていたりすると吸収がよいという具合で、効果の予想が立てにくい

などのデメリットがあるようだ。

私のケースに関しては・・息苦しいくらい咳き込んでいて、ホクナリンテープを出してもらって
よかったとは思っているが、他にもいくつか薬を出してもらっているので、一体どれが効いて
いるのかは、よくわからない。